原石

原石は思っている。
自分も一人前だと。

それはそうだ。
原石だって、この厳しい宇宙に生きている。
一人前だと思わなければ、とても生きていけるものではない。

そもそも、この宇宙では、
原石と頂点の宝石に、これといった差異があるわけではない。

でも、原石は原石。
自分がどう思っていようが、
それは変わらない。

この場合の違いを決めるのは、
おもにまわりの目だ。

一定の価値観ができあがった世界。
そこに合わせるだけではつまらないにしても、
風雨にさらされるうちに、自分でもその価値観の一部が納得できるようになり、
それに近いところへ到達できるかどうか、
また逆に、その世界を自分の側に引き寄せられるかどうか、
原石がもっているいちばんの特徴は、
その価値観から見た未熟さでも、醜さでもなく、
そんな力学のはたらく余地を残しているところだ。

力学のはたらかない世界は死を意味する。

そんな世界は、いくらいまある目で美しく見えようと、
なんのおもしろみがあるだろう。

わたしたちの命は、原石があるから楽しめる。
みんな、原石だから楽しめる。

だから、宝石になろうとするのはいいけど、
なってしまったらおしまいだ。
宝石は、ある意味、屍なのだから。

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by pivot_weston | 2008-11-07 07:08 | ブログ