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中華の縁

 去年の秋、近所のベーゼンドルファーのある中華屋さん(あえてそういう呼びかたをさせていただくが)「白龍館」に食べに行ったら、チェロとピアノの二重奏をやっていた。

 おなかをふくらませて、帰りぎわ、チェリストの青年がほかのお客さんと碁だか将棋だかをやっていたので、ちょっと話しかけたら、仙台のご出身ということだったので、ついまた、いつもの調子で、「おーっ、おれも仙台にいたよ。ドーバ(堰場)、南警察の裏だよ」とやってしまった。

 そしたら……「堰場」なんて、生粋の仙台っ子でもほとんど知らない、広瀬川のほとりのごくごく狭い地域をさす町名だから、どうせ「どこですか、それ?」という言葉くらいしか返ってこないか……と思っていたのに、驚いたことに、「なんだ。ドーバだったら、となりじゃないですか。ぼく、カワラマチですよ」の返事が返ってきた。Wow!

 佐藤智孝さん

 最近も、ちょっと思うところがあって、連絡をとらせていただいたら、ますます「縁な話」がころがり出してきた。

 そのドーバの、広瀬川の土手にへばりついた下宿にいたころ、上の部屋に、物理学科の2年先輩で、俳優の中村雅俊さんの高校のバスケットボール部時代の1年後輩で、とっても物知りなモンマさんという人がいて、毎晩毎晩、2時3時までいろんな話をしてくれては、一番丁の丸善であったピカソ展などにもつれていってくれていた。

 そのモンマさんがあるとき、「ボート、乗りに行こうか。いいぞ」と言って、窓からでもよじのぼれた土手に上がって、ようやく桜の散った、ゴールデンウィーク明けくらいの五月晴れのなか、広瀬川の貸ボートに誘ってくれたことがあり、春の日差しと風があまりにも心地よかったので、39年たったいまでも、その日、広瀬川の水面の高さから見た周囲の風景がはっきりと記憶に残っている。

 聞くと、佐藤さんはそのボート屋さんの息子さんと幼馴染なのだという。

 いやはや。ま、カワラマチの子なら、それくらいのことはあるか、とは思うが、またまたその次をお聞きするのが楽しみになった今日このごろでありました(なんか、すごく立派なホームページを拝見したら、元気のない言葉がならんでいるなあ。ファイトファイト!)。


by pivot_weston | 2013-03-14 22:33 | ブログ