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ついつい

 昨日の夕方、母親と話をしていると、つい「アオキさんのカツ」を思い出した。200円でおなかいっぱいになる大きな大きなカツ。つい食べたくなってアオキさんちまで行き、話をしながらそのカツをあげてもらい、あつあつのできたてのカツを紙の袋に入れてもらって帰ろうとしたところで、となりのカレー屋さん「コチン・ニヴァース」をのぞいたら、ありゃ、いつもお客さんでいっぱいの店内が珍しくすいている。だから、ついガラガラと引き戸をあけ、ビールを一杯。なぜかここのビール、よそのビールと変わりはないはずなのに、いつもわたしにとってはとてもおいしい。と、またまたお店のマスターやイシイさんと話し込んでいるうちに、ワインの話が出て、インドのワインの話になったところで、イシイさんがどこか少し恥ずかしそうに最近仕入れたばかりのSulaというインドワインを出してきた。グラス売りはしていないという。でも、見たらなんだか飲みたくなったので、つい「じゃあ、残ったやつはもって帰るから、それちょうだい」と言って飲みだした。近ごろはやりの言葉で言うと「まったり」。種々さまざまな香りがあふれ出してくるわけでもなければ、グラスをのぞく顔面を直撃してくるようなパワーがあるわけでもない。でも、あ、これはちょっとなあ……と思わせるところや、物足りなさを感じさせるところがあるわけでもない。どこか、一面にあったかい絨毯を敷き詰めた平原のような印象があり、飲めば飲むほどその絨毯敷き平原の居心地がよくなってくる。だから、ついつい、もって帰るはずだったボトルのなかのワインをその場で全部飲んでしまった。

 うむ、インドのワイン、なかなかのもの。シリコンバレーで働いていたIT技術者がムンバイの近くの故郷に帰ってそこの気候をあらためて肌で感じたところで、なんでここにワイナリーがないねん、と思って起業したワイナリーらしい。道理で「ジンファンデル」なのか。起業したのが1999年。それであの、真っ平らな平原にあったかい絨毯を敷き詰めたようなワインができるとしたら、これはいずれ、もしかするのかもしれない。


by pivot_weston | 2012-11-22 06:43 | ブログ