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玉置宏さんになったオバマさん(メルマガ配送予告)

 週刊メールマガジン『米国政府情報』第35号「玉置宏さんになったオバマさん」は、本日15:30配送予定です。

 タイトルはちょっと若い人には通じないものになっちゃったかな。

 日本のテレビ番組でもちらりと紹介されていたみたいですが、先週のオバマさんのお宅、ホワイトハウスはしばしホームコンサートの会場と化してしまいましたが、とはいっても、そこに集まったのは、B・B・キング、ミック・ジャガー、ジェフ・ベック、バディ・ガイ、ケブ・モーという、まあ、なんというか、ここでなきゃ、絶対にホームコンサートの会場なんかにはそろわない顔ぶれで、オバマさんもあまりにうれしくなったのか、ちょいとブルースをうなったのですが、日本のテレビはその一場面しか取り上げないものだから、ただホワイトハウスがブルースを楽しんでいるようにしか見えなかったのだけど、これは「アフリカ系米国人歴史月間」の一環。今度、ワシントンDCのスミソニアン博物館に「アフリカ系米国人歴史・文化館」を建設することになったので、ホワイトハウスでも、少人数だけどスケールはでっかいコンサートをぶち上げたのでありました。

 オバマさんの地元シカゴは、その昔、ミシシッピから北へのぼったブルースロードの終着地。かつてその道をのぼったマディ・ウォーターズのことを話して、ブルースのなんたるかを説き、最後に「ロッテ、歌のアルバム」の玉置宏さんみたいに「B・B・キングで~す」とやったオバマさんのあいさつも、なかなかにブルースしていたのだけど、動画で紹介されているケブ・モーの『America, the Beautiful』がすごい!

 そう、あの「アンメーリカッ、アンメーリカッ」というサビの盛り上がりのフレーズが印象深い歌ですが、ホワイトハウスの一室にすわっているのに、どこか南部のブルースロードの乾いた日差しを浴びた道端にすわっているように、とんことんこと足でリズムをとりながらギターをかき鳴らしてうなるケブ・モーの、そのサビの盛り上げかたが……。

 ああ、このメルマガをつくっていてよかった、と心底思える今週の第35号でありました(欲を言えば、大学時代によくラジオに耳をくっつけて聴いていたB・B・キングの泣くギターも聴きたかったのだけど、まあ、こっちはタダのオーディエンスだから、そこまで望むのはやはり厚かましいというものでしょうか)。

 で、ひとつ思ったこと――米国では、かつて差別されていた人たちの代表が大統領になっている。それは、ただ漠然と抽象的に論じられる国の状況ではなく、紛れもないファクト。日本は、その漠然とした抽象論では、米国より平和でいい国みたいに言われることがあるけど、さて、ファクトとしてはどうなのか? これからの時代、ただ自分たちだけの思いこみのボディイメージに閉じこもって立ちどまっているのではなく、他者との違いや対立を恐れず、どんどん自分を出して、他者とのインタラクションのなかで自分の存在をファクトとして浮かび上がらせていく国にならなくちゃいけないのではあるまいか(もう、青い目やいろんな目の日本人もいっぱいいることだし、ね)。