人気ブログランキング | 話題のタグを見る

フレッシュ・アップ、フレッシュ・アップ!

いつもの食堂「吟品」に
バドミントンの元オリンピック選手の小椋久美子さんに似た
かっこいいおねえさんが来ていた。

おっ、フレッシュ・アップ、フレッシュ・アップ!
(翻訳者なので、いちおう、英語ではfreshen up、
と書いておこう。)

おじさんの胸の奥でささやく声がする。
その声をひとり耳にしていたおじさんの目の前で、

「おかわりいただけますか」

そのおねえさんの、茶碗をもつ手がまっすぐに伸びる。

おっ、ますますいーじゃん。
しゃなしゃな、べたべた、くにゃくにゃした美形は、
もうおじさんのフレッシュ・アップの材料にはならない。

店主のチンさんとおねえさんが話しだしたところで、
このおじさんも、どらどら、もぞもぞと、その会話にまぜていただく。

おっ、いいねえ。
話している人の心中は、だいたい表情や動作や言葉の調子で察しがつく。

せっかくこうして、東京の片隅でたまたまお会いしたんだ。
暑くて暑くてとても仕事する気になれない昼下がりのひとときくらい、
ちょっくら会話でいい時間を過ごそうじゃん――
そんなおじさんの心中から発せられるものを、
ブロックするような気配が、そのおねえさんには感じられない。

それからひとしきり、3人でケタケタ、コロコロ。

で、おねえさんに続いてこのおじさんも店を出ると、
目の前で、そのかっこいいおねえさんが自転車に大きな荷物を積んで
よっこらしょとサドルにまたがろうとしていたのだが、
その姿がまた、なんというか、
すらりとした長い脚をもてあまして、
どこやら愛嬌に満ちていて、
「じゃあ、失礼します」とかいって走り去るうしろ姿が
右へヨロヨロ、左へフラフラ。

そう、あくまでかっこよさはだいじなのだが、
やはり人間、それだけでは物足りない。
愛嬌、人間味がプラスされると、
その人といた時間の価値もますますプラスされる。

というわけで、
今日もまた、調子よくいい時間を過ごさせていただいた
おじさんなのでありました。


by pivot_weston | 2011-07-13 14:51 | 西新宿