夜の街角の光景

街角で若い男女が抱き合っていた。

男がなにか悪いことでもしたのか、
女の顔はべそをかき、ふくれっつらになっている。

ふたりのシルエットも、
実際には「抱き合っている」というにはどこか中途半端で、
男は両腕を伸ばしてそれをよりコンパクトにしようとしているが、
女のほうは両手を突いてそれにあらがっている。

髪を染め、短いスカートだかなんだかをはいており、
どこかのキャバクラにでもいそうな女の子だ。

ふと思った。

飾った女は、その飾りが崩れるとき、
たとえば捨てられるようなときには、
飾っていない女よりいっそうみじめになるものか。

だけどその、目の前にいる飾った女の子が崩れるところを想像し、
また思った。

いや、崩れかたがひどければひどいほど、
顔をゆがめ、塗ったり描いたりしていたものが
自分の顔を飾るものではなく、より醜く見せるものになればなるほど、
そのみじめさが「あわれ」を感じさせるものになるのではあるまいか。

で、最後には、ふんっと笑った。
みじめも、あわれも、なんも、そんなのオジサン、
われわれの世代の情感であって、
いまの若い男女はただ怒って、泣いて、崩れて、
それだけとちゃうか、と。

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by pivot_weston | 2011-06-09 22:04 | ブログ