久しぶりの本

8年ほど前に訳した本の訳を評価してくれる人がいて、
その本の新版を訳す仕事をいただいている。

何年ぶりになるか、本を訳すのは。

5年前に
わたし自身が創業に関わった翻訳会社の経営が厳しくなったので手伝ってほしい
といわれて東京にカムバックしてからは、
ほとんどビジネス文書の翻訳やマニュアルづくりばかりをしてきて、
そのかたわら、3年ほどマエストロ塚本のワイン本づくりのお手伝いもしてきたが、
ここ1年あまりは、ひょんな縁で政治の世界にもかかわり、
政治家の秘書なんて職種も経験してきた。

でも、ふわっと戻る。

訳す原書をわたされて、それを開いたとたん、
かつて身を置いていた世界が、ふわっと、一気によみがえるのを感じた。

よかった、やっぱりいいな本の翻訳は――
と思ったのはそこまで。

ズブズブズブ……と
底なし沼に足を突っ込んだように
手ごたえ(足ごたえ?)の希薄かつあいまいな感覚をおぼえ、
とっさに、あ、いかん、こんなことじゃ食えない――と思うが、
すぐに、いや、これが本の感覚、覚悟せにゃ――と思いなおす。

底なし沼で足が底についた気分になれるまで
もぐるしかあるまい。

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by Pivot_Weston | 2011-05-30 18:33 | ブログ