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今日の日経から

1面の「ハイブリッド車用電池 トヨタ、三洋から調達」。

あら、トヨタはパナソニックEVエナジーと組んでいたはずなのに――
と思ったら、
ハイブリッド車があまりに売れて電池の調達が追いつかなくなるからだという。

へえ、そんなにハイブリッド車は売れているのか、とも思うが、
あんなに各社が背中を向け合って、苦労して開発してきた電池技術を
そんなに簡単に別の会社と共有できるものなのか、とも思う。

三洋がトヨタも納得のできる電池技術に到達したということか。
それとも、トヨタが、生産が間に合わないので技術を三洋に提供するということか。

いずれにしても、車載用リチウムイオン電池の技術は、
予想以上に早く拡大しそうだ。

同じ1面の「金大中元韓国大統領が死去」。

「金大中事件」は1973年、わたしが高校3年生のころか。

なにがなんだか、まるで意味がわからなかった。

人のせいにしてはいけないが、
わたしが通っていた中学や高校では、
百済や高句麗の時代の朝鮮半島のことは習っても、
朝鮮半島の近代史は「時間がない」ということで
ほとんど教えてもらえなかった。

その結果、とてもお恥ずかしい話ながら、
自分の周囲に朝鮮や韓国国籍の人が少なからずいて、
差別を受けているという現実も知らなかった。

で、大学時代に、飲み屋で知り合った数学科の学生から
いっしょにいた女の子のことを
「実はこの子と結婚したいんだ」と言って紹介された。

なんだ、すりゃあいいじゃないか――と思った。

「この子、韓国人なんだ」と言われても、
なにも知らなかったから、感想は変わらない。

彼は難しい顔をして、あとはなにも語らない。

しばらくして、
その彼の友だちが東京の彼の実家まで
お父さん、お母さんにその話を伝えに行った。

なんだか面倒くさいことをするんだな、
よほどいい家柄のやつなのだろうか、と思って、
その友だちが彼に実家の様子を報告する席に同席していたら、
むにゃむにゃ言っているうちに、
いきなりどちらかがビール瓶を持って殴り合いになった。

その夜、仙台市の国見町のアパートまで帰る
彼と彼女のあとについていった。

暗い国見町の坂道で、
ひとり考え込む彼のうしろ姿と
少し離れて歩く彼女のさびしそうなうしろ姿が
わたしの目の前にあった。

そんな時代だった。
「金大中事件」は差別の問題とはまた別だが、
金大中さんも、ずいぶん大きな時代の変化を体験してこられたのだろう。

もうひとつ1面の「客員コラムニスト 田勢康弘」さんの「主権者も問われている」。

同感。
冷静で素朴な視点をもつジャーナリストはいい。

5面の「育児休業 男性、取得1.23%どまり」。

男性は育児休業制度に意味を見出していないのだろうか。
「周囲の目があって、どうしてもとりにくくて」なんて言うのは、
意味を見出していない証拠ではあるまいか。

子どもと大人との接点が減っている時代に、
できるだけ子どものそばにいてやろうとは思わないのだろうか。

「周囲の目」がなんだ、男なら闘え――とも思う。
田勢さんではないが、「主権者も問われている」だ。

わたしたちには、
世のシステムの流れに乗って稼ぐこと以前に
問われていることがあると思う。

16面の「太陽電池部材各社 欧州不振で業績に陰り」。

ヨーロッパは日差しのエネルギーが弱いところだもの。
そんなに期待しちゃいけないよ。

19面の「大機小機 グローバル化は日本の敵か」。

民主党の鳩山さんがグローバル化に反対するような論文を書いているらしい。
問題の根源をどこかに見つけようとするうちにそういう方向へ行くのは
わかるような気もするが、
ほんとうの根源は、そんなところではなく、人間の品性にあるのではあるまいか。
システムに左右されない品性をつくるのは教育だ。

37面の「インフル 影響拡大 日ハム、複数の選手離脱……」と
38面の「新型インフル感染者 1週間で推計6万人」。

ややや、なに、これ?
しばらくよそを向いているうちにえらいことになっている。
どうしてスポーツ選手にひろがっているのだろう?


by pivot_weston | 2009-08-19 12:30 | 日経新聞