人気ブログランキング | 話題のタグを見る

満員電車考

たいへんなゴールデンウィークになってきた。

チンさんのお店「吟品」の常連先輩のコイケさんは、
某電話会社で災害対策を担当なさっている。

そう、電話も現代社会では重要なライフラインのひとつ。
30年前の宮城県沖地震で制御のきかない安否確認電話のラッシュにさらされ、
結果的にしばらく連絡のとれない陸の孤島・仙台に閉じ込められたわたしには、
そのお仕事の大切がよくわかる。

昨夜も、新型インフルエンザ対策で遅くまで残業して、
お店にいらっしゃるなり、「日本でも出たみたいですね。7時です」と、
最新の情報を教えてくれた。

さあ、こうなると怖いのは満員電車だ。

日本はいつまでも戦後の闇市・買い出し時代を引きずるつもりなのか、
世界的に見ても珍しい伝染病の蔓延装置、満員電車を
いつまでも改善することなく走らせている。

改善できるのは、電車の利用者ひとりひとりの意思以外にない。
いやだと思ったら、ひとりひとりが
会社に通う以外の生活手段を見つけるなり、
地方に転居するなりして意思を示さなければならないのに、
多くの人は「いやだけど、しかたがない」と言って、
あの、世界的にもまれな現象を繰り返している。

なにやら、「政治不信」と言いながらいつまでも自民党政権を延命させている
有権者心理と通じるものがあるような気もするが、
かりに潜伏期間中の新型インフルエンザの患者さんが
あの満員電車に乗れば、猛烈な勢いで病気が広がることも想像される。

わたしたちも、これを機会に、
ひとりひとりが意思決定を求められている当事者として、
満員電車や、都市のありかたを考えたほうがよいのではないだろうか。

東京は世界の人からいい街として認められている。
でも、その街で、朝な夕なに
60年前の混乱期と同じように、人がすし詰めになる光景が繰り返されている。
みんなの身なりはこぎれいになり、しゃれてきたかもしれないが、
やっていることは混乱期と変わらず、はなはだデリカシーを欠く行為だ。

政治と同じ、変だと思ったらひとりひとりが意思を示して変えようよ。
いつまでも人任せの市民のままでは
ほんとうの先進国の市民とも言えないのではあるまいか。
生活の資を得る仕事の場である企業が東京に集中しているからといっても、
みんなが意思を示して動いたら、企業も動くしかないのだから。
痴漢と間違われて一生を棒に振るなんて、そんなひどい目にあう人も
なくさなきゃ。