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ほっとするひととき

近ごろ、
Jがよく体をあずけてくる。

たとえば、
散歩のあとで長い耳の毛に櫛を通そうとして、
ちょっとおいで、と
こちらに引き寄せようとすると、
なにを勘違いしているのか、いないのか、
引き寄せられるがままにこちらに背なかをあずけ、
そのままどたりと仰向けになって腹を見せたりする。

まあ、それがわたしの右側だったとする。

すると、とたんに反対側の左のひざに、
Tがちょこんと鼻をのせ、
上目づかいにこちらを見あげたりする。

ふたりとも、
最初は櫛を通すのをいやがっていた。

散歩から帰って、
おなかすいた、なにかくれ――と、
ごねごね寄ってきているときでも、
わたしが櫛を手にもったのが見えると、
あ、ちょっと忘れ物――とでも言いたげに、
すぐにどこかへ行っていた。

それが、近ごろでは、
仰向けになったJを起こして櫛を通していると、
しだいに四肢がひろがってとろけていったりする。
すーっと体が沈み、大の字、
ならぬ「逆大の字」あるいは「腹ばい大の字」とでも言える
姿勢になったりするのだ。

で、男の子だから、Jの番が終わるのをじっと待っているTのほうも、
自分の番がくると、
あまりごねごねするのは気がひけるのかもしれないが、
櫛を通してもらっているうちに、
気持ちよくなってそんなことも忘れてしまうのか、
ウ~、ウ~と、低いうなりをもらしながら、
もっと、もっととせがむように頭を押しつけてくる。

なにやら、わが子の耳掃除をしていたときを思い出す。
仕事、仕事の毎日の、ほっとするひとときだ。


by pivot_weston | 2009-04-07 07:43 | 動物・ペット